2016年に師匠と二人で出かけた、私的大冒険の記録です。54時間の寝台列車、高山病に苦しみながら歩いた拉薩、チベット人ガイドと過ごした時間、そして西安の兵馬俑。場所だけでなく、その場にいた人と出来事が分かるよう、11日間を三つの章に分けました。

TJと師匠、二人でチベットへ
高山病に苦しむ私と、どこまでも元気な師匠。広州から拉薩、西安、そして香港まで、列車を乗り継いだ11日間です。
十一日間を、三つの章で読む
一日ずつ順に読むほか、思い出したい場所から直接開くこともできます。
iPhoneで記録した二人旅のGPSログ(青海付近は一部欠損)
拉薩へ向かう
広州から二泊三日。標高とともに体調も変わっていった、54時間の寝台列車。

Day 1 — 5月16日 ・ 広州 → 車中泊 ・ 写真12枚
広州出発 — Z264 拉薩行、54時間の旅へ
全長4,980km、中国最長・世界7位という列車の旅が広州駅から始まります。4人部屋を2人で使う贅沢な寝台、期待を裏切らない雑さの食堂車、香港A-1ベーカリーで調達した持ち込みパン。出発から11時間、武昌駅で初日が暮れていきます。
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Day 2 — 5月17日 ・ 車中 — 中国大陸を西へ ・ 写真9枚
ひたすらチベットに向かう
丸一日24時間を列車の中で過ごす日。鄭州から進路を西に変え、高山病対策の薬を飲み始めた朝、西安駅の売店で調達した紅焼牛肉麺——このあたりから私の体調は崩れ始めます。標高2,200mの西寧駅で高地仕様の車両に乗り換え、頭痛とともに夜へ。
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Day 3 — 5月18日 ・ ゴルムド → 拉薩 ・ 写真7枚
魔のゴルムド駅、そして拉薩へ
深夜2時のゴルムド駅。頭痛に嘔吐感、全身の毛穴から吹き出す冷や汗に「俺はここで死ぬな」と覚悟した夜が明け、出発から54時間、午後5時半についに拉薩駅へ。音信不通で「田路は死んだ」と噂が流れるなか、寒空に半袖でスカーフを掛けられた勇姿をご覧ください。
Day 3 を読むチベットを巡る
拉薩からギャンツェ、シガツェへ。風景と祈り、ガイドさんとの時間。

Day 4 — 5月19日 ・ 拉薩 ・ 写真29枚
拉薩 — ポタラ宮と大昭寺
10歩歩けば息切れする体で、ない気力を振り絞って坂と階段300段、標高3,765mのポタラ宮へ。写真を撮った途端「金よこせ!」と迫るお婆さん、五体投地の巡礼者が行き交う大昭寺・ジョカン寺。チベット仏教の心臓部を一日で巡ります。
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Day 5 — 5月20日 ・ 拉薩 → ギャンツェ ・ 写真23枚
ヤムドク湖とギャンツェ
海抜4,441mの石碑、眼下に広がるエメラルド色のヤムドク湖、10元で写真に納まるチベット犬。白居寺のクンブムで無数の仏像と曼荼羅に圧倒され、夜はシガツェのチベット料理店で、ガイドさんが小声で語ったダライ・ラマ14世の話。
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Day 6 — 5月21日 ・ シガツェ → 拉薩 ・ 写真17枚
タシルンポ寺、シガツェから拉薩へ
1447年建立、歴代パンチェン・ラマの座所タシルンポ寺へ。高さ30mの大弥勒殿、そして中庭で若いお坊さんたちが繰り広げる問答の練習。帰路はヤルンツァンポ川沿いの絶景を280km、拉薩へ戻ります。
Day 6 を読む西安を経て香港へ
拉薩を離れ、兵馬俑へ。高度が下がる喜びと、二人旅の帰り道。

Day 7 — 5月22日 ・ 拉薩 → 車中泊 ・ 写真12枚
チベットのスターバックス、西安へ
チベットにスターバックスはあるか?——「スターバックスクローン」を頼りに交番で道を聞き、最後の一杯を拉薩で。昼のZ266で西安に向かう32時間の車中には、往路とは別物のうまい食堂車と、青海の絶景車窓が待っていました。
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Day 8 — 5月23日 ・ 車中 → 西安 ・ 写真7枚
西安に到着
晴天のトンネルを抜けると吹雪、そして車掌さんが各部屋に声を掛けて回るほどの青海湖の大眺望。持ち込み食料が尽き、朝は20元の激辛朝食、昼はとっておきの日清ラ王。夜10時、いくら歩いても息が切れない海抜400mの西安に降り立ちます。
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Day 9 — 5月24日 ・ 西安 ・ 写真56枚
兵馬俑、華清池、鐘楼夜市
身長180cm・8,000体の兵士が2,200年前のまま並ぶ始皇帝の兵馬俑。発見者・楊志発さんの井戸の話から、青銅馬車の見事な溶接技術まで。午後は楊貴妃の華清池、夜は回族の鐘楼夜市で羊肉串とびゃんびゃん麵——この旅最多、写真56枚の一日です。
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Day 10 — 5月25日 ・ 西安郊外 ・ 写真24枚
乾陵と漢の陽陵
小雨まじりの寒空の下、中国史上唯一の女帝・武則天と高宗が眠る乾陵へ。何も刻まれていない「無字碑」と、首を失った六十一蕃臣の像が残す謎。漢の陽陵では30cmの兵士俑と紀元前の調理道具に、中国人の食への執念を見ました。
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Day 11 — 5月26日 ・ 西安 → 香港 ・ 写真6枚
香港に向けて
帰りは空港と見紛う巨大な西安北駅から、新幹線で深圳北へ10時間。先頭車両に6席だけのVIP仕様に座り、11日間の全経路を地図にプロットして旅を締めくくります。「チベットは最初で最後かな」——無事に戻れたことが何よりの土産でした。
Day 11 を読むあの旅を、誰かに見せる
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