麺への愛
うまい牛肉麺を探す、それが私にとっての台湾の旅です。
麺好きの私は、香港ではワンタン麺、ベトナムではフォー、イタリアではパスタ、日本ではラーメンと、一日三食すべて麺でも構わないほどの麺愛好者です。
そして台湾では牛肉麺を食べ歩くのが恒例となっています。
時間との戦い
台湾滞在最終日。
午後4時半発のフライトを控え、午前中は故宮博物院への訪問を計画、西門エリアのホテルでは既にチェックアウトを済ませ、荷物だけを預かってもらっていました。

桃園空港まではMRT桃園国際線で約40分。
搭乗2時間前の2時半に空港に着けば良いと考え、気になっていたホテル近くの牛肉麺屋さんへ。
「牛店 精燉牛肉麵」の焦り
目指したのはミシュラン・ビブグルマンを2018、2019、2020年と連続三年取った有名店です。

店に着いたのは12時40分、順番待ちの札を取ると後10組待ち。
時間的に厳しい状況ですが、「1時半までに出れば間に合う」と自分に言い聞かせます。

店頭には「店員が不足しているのでピーク時は30分待ち」との注意書き。頭の中で計算し、なんとか間に合うと自分を納得させます。店内の様子はスモークガラス越しに見えませんが、時折開くドアから覗くと空席が見え、もどかしさが募ります。
思わぬ幸運
20分ほど待ってもまだ5組待ち。万事休すかと諦めかけた その時、男性が近寄ってきて「連れが来ないので札を交換しませんか?」と声をかけてくれました。

交換した札は28番、あと3組!!

28は私のラッキーナンバー。運命を感じながら、1時過ぎに入店しました。



待望の一杯
注文したのは店の看板メニュー、精燉牛肉麵(クリアスープ)。
妻は混ぜ麺を選びました。


しかし、待てど暮らせど なかなか料理が出てきません。
30分待ちとは「オーダーしてから30分」という意味だったのかも、そう思いながら恐る恐る周りを見ると我々よりも数組前に入った人のテーブルにもまだ丼はでていない・・・冷や汗が背中を伝い、内心焦るも、妻には平静を装います。
1時半、ようやく牛肉麺が到着。

麺は私好みの太麺、ただやはりスープはクリアすぎてちょっと物足りない、
やっぱり紅焼牛肉麺を食べたかったなと思いつつ、店を出たのは2時少し前。
空港へ
タクシーでホテルへ戻り、荷物をピックアップしてMRT台北駅へ向かいます。空港に到着したのは3時。

無事、フライトの1時間半前に到着。
チェックイン後はキャセイ・パシフィックのラウンジへ。
ラウンジでの発見
台北桃園空港のラウンジは初めてでしたが、広くて綺麗。そして香港のラウンジ同様にヌードルバーがあります。
期待せずに牛肉麺を注文、一口食べると「うっ、うまい…」

なにこれ、さっきのより断然美味しい。
人参、大根、青梗菜もしっかりと煮込んであり、味が染み込んでいて美味しいのです。
妻のワンタン麺も一口もらい、フニャフニャの麺にドロっとしたスープが絡み、これもまた美味しい。

最近の香港のキャセイ・ラウンジの麺はイマイチだと思っていましたが、台北のそれは格別でした。
不完全さこそが旅の真髄
実は、朝 訪れた故宮博物院では、冒頭に掲載した「肉形石」を目にすることができたのですが、もう一つの至宝「翠玉白菜」は別の博物館に貸出中で、見ることがかないませんでした。
旅というものは、すべてが思い通りにいかないからこそ魅力的なのかもしれません。その不完全さが、次への期待を膨らませ、再訪のきっかけを生み出すのです。
「翠玉白菜」を見られなかったこと、「紅焼牛肉麺」を味わえなかったこと。これは、実は大きな「収穫」なのかもしれません。
思い通りにならなかったことで、次回訪れたときの喜びを倍増させる。
そう考えると、今回の旅で残した「宿題」の数々が、むしろ楽しみに思えてきます。