香港に住んで30年、深圳へは月に何度も渡ります。ドローンを買いに、電脳街を歩きに、ときには茶淹れポットやひげ剃りに驚かされに。ここでは、私がいちばんよく使う「旺角を出て、その日の昼にはDJI旗艦店にいる」ルートを軸に、口岸(イミグレーション)の使い分けと、2026年夏時点の最新事情をまとめます。
口岸を選ぶ — 行き先で決める
香港と深圳の間には複数の口岸があり、深圳側のどこへ行くかで選ぶのが基本です。私の使い分けはこうです。
| 口岸 | 香港側からの行き方 | 向いている行き先・特徴 |
|---|---|---|
| 皇崗 | 旺角などから越境バス1本 | 24時間運用(執筆時点)。鉄道直結ではないぶん人が少なく、私はここを選ぶことが多い。新ターミナルを建設中 |
| 福田(落馬洲支線) | 東鉄線の支線終点から徒歩 | 深圳地下鉄4号線に直結。華強北(電脳街)方面への最短 |
| 羅湖 | 東鉄線の終点からそのまま | 老舗の定番。羅湖商業城や東門方面へ |
| 深圳湾 | 越境バス | 南山・深圳湾方面へ。西側に用があるとき |
運用時間や混雑は変わるので、渡る前に香港入境事務處の管制站一覧で確認を。そして中国の連休には近づかないのが鉄則です。いつが連休かは4地域の祝日カレンダーにまとめてあります(中国の振替出勤日も載せています)。
本命ルート:旺角 → 皇崗 → DJI旗艦店
DJIの旗艦店詣でなら、このルートがいちばん楽です。太子駅C出口近くの乗り場から越境バスに乗る。バスは皇崗口岸に直接入り、そこで香港出境と中国入境を済ませ、中国側に出たら地下鉄で深圳湾公園駅へ。私の実測では、朝9時半のバスに乗って11時にはDJI旗艦店に着きます(回郷証など入国資格が整っていれば)。
皇崗を推す理由は素朴で、鉄道直結の羅湖や福田に比べて人が少ないから。バスを降りてから出入境までの動線も短く、e道(後述)なら本当にあっという間です。バスの時刻・写真つきの詳しいルポは初出のnote記事(後半有料)に残してあるので、初めて渡る方はそちらも参考に。
華強北(電脳街)へ行くなら福田口岸
電脳街・華強北が目的地なら、東鉄線で落馬洲支線の終点まで行き、福田口岸を渡るのが直線的です。福田口岸は深圳地下鉄4号線に直結していて、会展中心で1号線に乗り換えれば華強路はすぐ(駅構成は執筆時点)。スマホの修理・部品からガジェットの掘り出し物まで、あの街の歩き方はまた別の記事で書いていますが、行き方だけならこれで足ります。
e道の現在 — 顔だけで渡れる(2026年夏)
回郷証を持っていてe道(自動化ゲート)に登録済みなら、いまの出入境は顔だけです。2024年ごろはカードをスキャナーに置く手順がありましたが、2025年11月以降それも廃止されました。ブース入口のカメラに顔を向けて5〜10秒、ゲートが開いたら中で顔と指紋の認証——全部で30秒から1分です。認証に10秒近くかかることもありますが、沈黙に耐えてカメラを見続けるのがコツです。
未登録でも、有人カウンターで回郷証を出すだけ。紙の入境カードはもう書きません。指紋採取のときには日本語の音声ガイダンスまで流れます。e道の登録自体は皇崗口岸の中国側施設で5分で完了し(受付08:00〜18:00・執筆時点)、その日の帰りから使えます。回郷証の取得から初入国までの全記録は回郷証ガイドに、2026年夏の最新事情はnoteの新しい記事にまとめています。
買って帰るなら — 離境退税を忘れずに
深圳でDJI製品などを買うなら、離境退税(出国時の税還付)が使えます。私がDJI Mini 5 Pro Fly More Combo(5,988元)を買ったときは、手数料2%を引かれて538.92元(約9%)が戻りました。条件は執筆時点で「同一店舗で200元以上」「購入から90日以内に出国」「未使用・未開封で携帯」。DJIストアは動作テスト後に専用シールで再封印してくれるので心配いりません。還付カウンターは羅湖・福田・落馬洲の各口岸や宝安空港にあり、手続きは10分ほどでした。詳細は初出記事へ。
小さな注意
深圳側の支払いは微信支付(WeChat Pay)か支付宝(Alipay)が前提の場面が多いので、海外カードの紐付けを済ませてから渡ると気が楽です。連休の口岸は本当に混みます——祝日カレンダーで中国側の連休を避けてください。そして口岸の頭上では、公安のドローンが普通に飛んでいます。驚かないように(その日の断章)。