Fragment
深水埗で、トリノから来たパスタ
先日入ったピザ屋で、トリノ出身のイタリア人のおばさんから『同じビルの別の階で息子がパスタ屋をやっている』と聞いていたので、七月一日の香港返還記念日だからというわけでもないが、妻とその店を訪ねてみると、前に撮ったお母さんの写真を見せた途端に息子さんはにっこりして、そうだよ、トリノだよと話がつながり、紙皿で出てくるパスタに日本円で千六百円から二千円ほど払うのは一瞬高い気もするのだけれど、妻と二皿を分け合えばどちらもちゃんとおいしく、深水埗の電脳中心で歩き疲れたあとに少し寄り道して、トリノから来た親子の点と点が同じビルの中でつながるなら、香港の散歩としては十分すぎる昼だった。
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