アユタヤ・ワット マハタートの仏頭。ガジュマルの根に抱かれるように埋まっている
Travel Journal — 2014.05

バンコクとアユタヤ、十年ぶりの友と

香港時代を共に過ごした友が、いまはバンコクにいる

Route: バンコク → アユタヤ → バンコク 2014年5月 香港時代の友人を訪ねて 写真 31枚
友人が連れて行ってくれたタイレストラン Mango Tree のマッサマンカレー。スターアニスとシナモンが浮かぶ
この旅の仲間

十年ほど会っていなかった、香港時代の友

この旅の大きな目的は、十年ほど会っていない友人に会うことでした。香港時代を共に過ごし、その後タイ駐在になった友人です。折しも数ヶ月続いていたデモの影響で、観光業で働く彼には時間の余裕がありました。おかげでアユタヤ遺跡巡りも、中華街の散策も、そしてほぼすべての食事にも付き合ってくれて、短い滞在ながら密度の濃い、忘れ難い数日になりました。

香港時代の友人と 2014年5月 バンコク ↔ アユタヤ 写真31枚
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十年ぶりの友を訪ねて

久しぶりに訪れたバンコク。市内には過去に何度か来ていましたが、そこから少し離れたアユタヤ遺跡は、まだ訪れたことがありませんでした。

今回の旅の大きな目的は、十年ほど会っていない友人に会うこと。幸か不幸か、数ヶ月続いているデモの影響で、観光業で働く彼には時間の余裕がありました。アユタヤ遺跡巡り、中華街散策といった観光に加え、ほぼすべての食事にも付き合ってくれたおかげで、短い滞在でしたが、密度の濃い、忘れ難い思い出になりました。

アユタヤ、首のない仏たち

この遺跡は、1351年から1767年に存在したアユタヤ王朝が作ったもので、ユネスコの世界遺産に認定されています。バンコク市街からクルマで二時間ほど、日系企業も数多く進出しているあたりにあります。遺跡群は一箇所にまとまっているのではなく、小規模なものが点在しているため、クルマを雇って移動しながら観光するのがいいでしょう。

アユタヤの赤レンガの仏塔と、その前に座る仏像。周囲に頭部のない仏像が並ぶ
点在する遺跡のひとつ、ワット マハタート
木陰の座仏。手前には頭部を失った仏像の胴体が立っている
頭を失った像と、残った像

アユタヤ遺跡において、なんといっても印象的なのは、このワット マハタートの仏頭です。コの字の縦棒部に鎮座する大きな仏像をのぞいて、すべての頭部が無くなっていることがわかります。

赤レンガの壁沿いに、頭部を失った仏像が列をなして並んでいる
頭部を失った仏像が、壁に沿って並ぶ

そして、そのうちのひとつにガジュマルの樹が絡みつき、なんともいえない不思議な雰囲気を醸し出しています。アユタヤ王朝が滅んだ1767年にビルマが侵攻してきた際に破壊されたのだろうか、それとも後世の盗人が、中にある財宝欲しさに首をはねたのか——。

ガジュマルの根に包まれた仏頭のクローズアップ。半眼の穏やかな表情
根に抱かれた、穏やかな顔

わたしはあまり霊などを信じないほうですが、これをみると、そこには仏様の持つ不思議な力が働いたのではないかと、柄にもなく感じてしまいました。

ガジュマルの太い根が幾重にも垂れ下がる中に、仏頭が静かに収まっている
樹と石が、長い時間をかけてひとつになった

ワット ロカヤスタの巨大な寝仏にも足を運びました。オレンジの布をまとった姿は、遺跡の茶色のなかでひときわ鮮やかでした。

オレンジの布をまとった巨大な寝仏。手前で女性が線香を供えている
オレンジの衣をまとった寝仏
金箔を貼られた小さな寝仏と、供えられた黄色い花輪
金箔を貼られた小さな寝仏
寝仏の頭部側から見た全景。黄色い布と煉瓦の基壇
頭のほうから見上げる

バンコク市内では日本食も豊富で、それを楽しむことも多いのですが、今回は友人が連れて行ってくれたタイレストラン、Mango Tree で食べたマッサマンカレーが絶品でした。この次に行っても、もう一度食べたいと思わせるほどに。

両替の一苦労

到着が真夜中だったので、空港では500香港ドルだけ両替しました。翌日、同行の友人は客先周りとのことで、独り両替にチャレンジすることに。

ネットでは、ミドリ色の看板の Super Rich が良いとのこと。伊勢丹の近くで見つけたのですが、なんとその日は祝日でお休み。仕方なく、その近くのオレンジ色の看板の Super Rich に入りました。空港の両替レートよりかなりいいので、良しとしましょう。

オレンジ色の看板の Super Rich money exchange の店構え。店員が入口の脇に座っている
オレンジ色の看板の Super Rich
両替店の店内。番号表示のLEDと、カウンターに並ぶ客
店内は順番待ちの客でいっぱい
Super Rich の整理券(番号146、時刻11:36)を手に、コンパクトカメラを持っている
整理券は146番

困ったのは、両替の際にパスポートの提示を求められたこと。ないと言ったら、スマホにコピーはないのかと聞かれます。Evernote にあったのを、隣の得体の知れないお店で十バーツ払って印刷してもらい、無事に二千香港ドルの両替が完了しました。あとで色々と調べましたが、レートはなかなか良かったようです。

両替店のレート表示ボード。USD、EUR、HKD、JPY など各国通貨のレートが並ぶ
2014年5月のレート表。香港ドルは25.60

両替屋の前の、トムヤム麺

両替がすんで懐が温まると、急に空腹を思い出しました。両替屋の目の前にある露天の麺屋で食べることに。客が大勢いたので、これは美味いはずと食いましたが、やはり凄く美味かった。味の素とかがしこたま入ってるのかも、と嫌らしい考えも頭をよぎりますが、素直に美味かったのです。

屋台のテーブルに置かれたトムヤム麺の丼。奥にはパラソルと通りの往来
これがそのトムヤム麺。一杯40バーツ

食ったのは、壁のメニューにあるトムヤム麺。具材は魚のすり身、日本で言えばカマボコです。潮州料理の魚蛋河(ユータンホー)そのもの、ただしスープはトムヤムスープ。

屋台の壁に貼られた写真つきメニュー。PORK NOODLES、TOM YUM NOODLES などが並ぶ
壁のメニュー。ここから選ぶ
屋台の寸胴で煮込まれる魚のすり身団子と、積み上げられたピンクの丼
鍋のなかは魚のすり身

お店の店員もみんな気さくでいいですね。写真撮っていい?と聞くと、喜んで撮らしてくれます。やっぱりタイは良い国だと実感します。

麺屋台の前に立つ青いシャツの店員。カメラに向かって穏やかに笑っている
「撮っていい?」に応じてくれた
麦わら帽子をかぶった若い女性店員が、屋台のカウンター越しに笑顔を見せている
みんな気さくだった
屋台の調理場に立つ店員と、積み重ねられた丼、茹で麺
手際よく丼が出てくる
卓上のオレンジ色の薬味立て。唐辛子粉、酢漬け、砂糖などが並ぶ
卓上の薬味で好きに調える

ちなみにトムヤム麺は一杯40バーツ、ボトルの水は十バーツでした。

屋台の大鍋いっぱいに煮込まれた豚足と煮玉子、青菜
通りには、こんな鍋もある

中華街、広東語の美しい誤解

ビーフジャーキーを買いに中華街へ。ちらっと広東語が聞こえたので、写真のおばさんに話しかけてみたら、充分に会話が成立します。広東系ですか?と聞くと、タイ人で、二十年ここで働いて広東語を覚えたとのこと。

ところで俺は日本人だと云うと、驚いて、そして香港人だと思ったと、広東語を褒めてくれました。お互い母国語じゃないからの、美しい誤解ですね。

バンコク中華街の店のカウンターに立つ女性。棚には菓子や缶詰、奥に金色の祭壇が見える
広東語で話してくれた、店のおばさん
中華街の乾物店・林真香の店内。ガラスケースに干し肉やビーフジャーキーが並ぶ
目当てのビーフジャーキー
金紙や供物が天井まで積まれた中華街の店。紙製の家の模型も置かれている
金紙と供物の店

中華街の細く長い通りを歩いていると、右に直行する路地があり、その奥に立派な廟がありました。

中華街の路地。青いテントの下に屋台が出て、突き当たりに廟が見える
路地の奥に、廟が見えた
龍尾古廟の正面。屋根には龍の飾り、入口には狛犬が置かれている
龍尾古廟の正面
廟の内部。赤と金の装飾に囲まれた祭壇と、天井から下がる提灯
赤と金に満ちた堂内
廟の屋根の装飾。龍の彫刻と「四海昇平」「潮州」の文字
屋根には「潮州」の文字

潮州の名を見ると、香港で食べてきたあの味を思い出します。屋台のトムヤム麺が魚蛋河に見えたのも、たぶん偶然ではないのでしょう。

「香港麵雲吞」の看板を掲げた店先に、焼き上がった鴨がずらりと吊るされている
「香港麵雲吞」の店先にて

おまけ — 2014年5月のデータSIM

バンコクでのデータ通信用SIM購入は簡単です。タイ・バンコクに入国後、空港内で購入するのがベスト。わたしはこの写真の窓口、True で購入しました。

空港の True Move H のカウンター。「3G Inter Sim 7 Days / 299 Baht」のPOPが立っている
空港の True 窓口。7日間299バーツ

七日間、無制限で二九九バーツ。いまだと約千円です。LTEではなく3G。スマートフォンを渡せば設定も全部やってくれるので安心です。バンコク市内、アユタヤ遺跡も含めて、ほぼ問題なく接続できました。

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この旅行記は、旧サイト「TOJI Masaya's LIFE LOG」(2014年公開)の記事と写真を、当時の本文を活かして再構成したものです。