香港で暮らしていると、お金まわりの判断が生活の一部になっていきます。
とはいえ、ここで書く数字は「すごい」「得した」という話ではありません。
どちらかといえば、
「香港では銀行との向き合い方がこう変わる」
「こういう選択肢がある」
──そんな生活の空気や知恵を共有するための記録です。
香港に住んでいる人には実用的な視点で。
日本にいる人には、“海外で暮らすと判断軸がこう変わるんだな”という、ちょっとした覗き見のように読んでもらえたらと思います。
今回、わたしは長年メインで使ってきた HSBC、そしてサブとして使っていた Citibank に加えて、新しく シンガポール系の銀行・DBS(星展銀行) の口座を開設しました。
きっかけは特別な理由ではありません。
妻と飲茶をして旺角(モンコック)を歩いていた時、たまたまDBSの支店が目に入っただけ。
軽い気持ちで話を聞いたところ、そのオファーが思った以上に自分の状況に合っていたのです。
■ 普通預金で3%台──DBSのオファーが刺さった理由
スタッフが提示してくれたのは、新規預け入れ向けの優遇金利キャンペーン。
ざっくりまとめると、
2025年12月中に新規資金を入れる
2026年2月末までキープする
預け入れ額に応じて、普通預金に3%台の上乗せ金利
という内容でした。
上乗せ金利は以下の通り:

ここで思い出したのが、先日 HSBCで組んだ3ヶ月定期(3.8%・USD) のことです。
FRBが0.25%利下げを発表した翌日に契約したもので、定期預金としては妥当な金利です。
ただ、今回のDBSは “定期ではない普通預金(HKD)で3.1%”。
出し入れが自由な状態でこれだけ付くなら、当面使う予定のない資金の“短期の駐車場”としては非常に合理的に感じました。
■ HSBCとCitibank──これまでの関係性
わたしの香港生活は、HSBCと共に30年以上続いています。
いまでも信頼感・安定性では一番の銀行だと思っています。
とはいえ2020年前後の香港の情勢が揺れた時期、
「資金を分散した方が良い」という空気が香港全体に広がりました。
その流れで、私はCitibankをサブ口座として追加しました。
しかし、相性は正直あまり良くありませんでした。
友人紹介キャンペーンのHK$5,000が数ヶ月支払われなかった
担当者が変わるたび説明がリセット
約50万円の送金が3〜4週間行方不明になった
その間の説明が曖昧
こうした細かいストレスが積み重なり、
「選択肢をもう一つ増やしたい」という気持ちが強くなっていました。
そのタイミングでDBSのオファーに出会った、という流れです。
■ 預金保護上限80万HKD──分散の考え方
2024年10月から香港の預金保護制度は、
50万HKD → 80万HKD(約1600万円) に引き上げられました(1銀行・1預金者あたり)。
昨年アメリカで複数の銀行が破綻し、取り付け騒ぎが起きたように、
「絶対に安全な銀行」は世界中どこにもありません。
また、恒生銀行がHSBCに吸収される可能性が報じられるなど、香港の銀行事情もゆるやかに変化しています。
だからこそ、今後は預金の分散を目的にDBSを使っていくつもりです。
■ これからの距離感
まだ口座を開いたばかりなので、DBSが自分に合う銀行なのかはこれから探っていく段階です。
もし合わなければ距離を置けばいいし、
使いやすければ自然に生活の中心に入ってくるでしょう。
いまのところ、生活銀行としての信頼感は、やはりHSBCが一番。
その前提の上で、
運用効率やリスク分散という“現実的な理由”でDBSを追加した、というのが本音です。
香港に住むと、銀行はただの口座ではなく、生活戦略の一部になります。
その変化や気づきのプロセスも、また香港らしい体験だと思います。
今後も実際の使用感や変化があれば、この香港レンズで随時共有していきます。
香港という街は、銀行ひとつ選ぶだけでも価値観が揺れたり、新しい視点が生まれたりする場所です。そんな日常もまた、この街らしさなのかもしれません。