Fragment
友人を連れていく飲茶 — 太子・一點心
友人が香港に来るたび、飲茶ならまず連れていくのは太子のこの一點心で、荷葉をほどけば湯気の立つ糯米鶏、割れば黄身がとろりと流れ出す奶皇包、咖喱の染みた魷魚に、てっぺんの裂けた叉燒包と、いわゆる『外国人が思い描く飲茶』がひと通り、文句なしに旨い形で並んでいて、店員も観光客に驚くほど親切で丁寧、ただ——旨いのは間違いないぶん、あまりにお手本通りで隙がなく、長く香港にいる人間にはむしろ少し物足りないほどで、おまけに店の外には傘を差した行列が途切れないものだから、腰を据えて茶をだらだら飲む気にはなれず、つい早く食べて早く立たねばと追い立てられてしまうのが私の性分なのだが、裏を返せば、明日空港に降り立つ友人にとっては、これ以上ない『これぞ香港の飲茶』なわけで——だから、海外から来る人にこそ、迷わず勧めたい。
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